めろめろメロウ

好き勝手に色々愛でています

暇な大学生がうっかり少クラ収録に行ってきた

 
果報は寝て待てということわざが有るが、あながち間違いではない。
2月の終わり頃、一泊2日の旅行から帰宅して疲れ果てていた私は夕飯も食べずに居間のソファーで眠りこけていた。確か20時過ぎだっだと思う。ようやく目を覚ました私は手元にあったiPhoneをいつものように確認していた。そしてメールを確認。マジかよと思わず声が出た。なんと驚いたことに、なんとなく応募した「ザ少年倶楽部」の番組協力にうっかり当選していたのだ。
 
Kis-My-Ft2をきっかけにジャニオタに出戻りをした私が「ザ少年倶楽部」をきちんと見るようになったのはだいたい2015年の秋頃からだ。少クラを見始めてからたくさんのJrの名前も覚えたし、ジャニーズWESTA.B.C-Zにも興味を持つようになった。気づけば毎週必ず少クラを録画して、バイト終わりにお酒を飲みながらゆっくりと見るのが楽しみのひとつになっていた。
 
そもそも私は今迄番組協力や観覧自体経験したことがなかった。ましてや毎週NHKホールのステージの上で踊るJrたちに合わせて一緒に振りをしたりペンライトを振りながら黄色い声を上げる若い女の子たちの熱気とエネルギーに圧倒されていたくらいだ。そんな自分がまさか少クラの収録に参加することになるとは思ってもみなかったし、当選するとも思っていなかった。放送を見てもわかる通り、少クラの収録に参加している女の子たちの平均年齢は低い。そんな番組協力に大学生である自分が参加出来るのはとてもラッキー……?これは一大イベントだー!と私は番組協力当選に胸を躍らせたのである。
 
少クラの番組協力には「応援練習」という物がある。収録日の前日に我々当選者は渋谷にあるファミクラに集合しなければならないのだ。どうやらその日は他の番組協力の当選発表も同時にファミクラで行っていたようで、あの狭いスペースは非常に混沌としていた。集合時間を迎えると、ファミクラのお姉さんは声を張り上げ、列を整備し始めた。数多のオタクたちは4人ずつの列を形成する。ファミクラのお姉さんは椅子の上に上がり、我々に指示を下すのだ。その光景はまるで宗教だった。前に立つお姉さんの他に、列の横に配置されるお姉さんもいる。宗教というかもはや軍隊だし気分は幼稚園児である。周りを見渡して見ると、意外にも同年代くらいの女の子や私よりも年上であろう女性も居てなんだか安心した。収録日に行われる曲と簡単な振りの説明が記入された紙が配られる。この紙は他言無用でありインターネットなどに転載することも許されない重要な紙だ。名前を記入する欄もあり、取り扱い要注意である。そして応援練習は始まった。お姉さんがラジカセ(音質が非常に悪い)で音楽を流し、振りの見本を見せる。合いの手と歓声の練習もするのだ。歓声の練習……?と思ったが黄色い悲鳴を出すのは思ったよりも難しい。お姉さん曰く狂ったように、でも可愛さは失わず最大限のキャーー!を出して欲しいらしい。なかなか難しい注文である。そして声出し練習だけにはとどまらず、我々オタクはジャンプする練習も行なわされた。一斉に飛び跳ね次々と地面に着地するオタクたち。あまりのシュールさに耐えられなくなり思わず笑ってしまった。その日配られた紙に記載されている11曲のうち4曲は簡単な振りつけが有り、簡単とは言えダンスが大の苦手である私はお姉さんの動きを汗だくになりながら目で追いかけた。振りが上手で良い意味で目立つ女の子には先に当日の引き換え券をお姉さんが手渡すというシステムがあるらしく、何人か列の横に配置されているお姉さんから引き換え券を手渡されていた。勿論私はそんなはずもなく、振りの練習が全て終了した後に無事引き換え券を貰うことが出来た。振りの練習の後は当日の服装の諸注意など説明を受ける。前々から少クラ収録にうつる女の子の服装がダサいとは感じていたが、それも無理はない。必ず長ズボンと運動靴を履くようにと再三お姉さんから指示が出されるのだ。そして持ち込むペンライトにも指示が出される。我々が参加する収録はA.B.C-ZとジャニーズJr.のみ出演するのでそれ以外のペンライトは持ち込み不可能なのだ。持ってない人は明日までにジャニショ行ってなんとかしてねー!と宣言され、応援練習はようやく終了した。
 
そして翌日。ついに収録日である。ペンライトを持っていなかった私はまずペンライトを手に入れなければならないミッションが課せられていた。ジャニショに行けばペンライトは買えるし、そんな焦ることでもないよなーと呑気に考えていた私はノロノロと支度をし原宿へと繰り出した。しかしその認識が甘かったのだ。日曜日ということもありジャニショは大混雑。今から整理券を貰うとなるとペンライト購入までに相当な時間がかかることになる。集合時間に遅れることは絶対に出来ない。私は致し方なく闇ショに駆け込み血眼でA.B.C-Zのペンライトを探した。しかし!他グループのペンライトは安値で売られているのに何故かA.B.C-Zのペンライトは売られていない!嘘だろマジかよと冷や汗をダラダラ流しながらショーウィンドウの中を見つめると、端に随分と色褪せた星型のペンライトがたたずんでいた。ジャニーズ公認ペンライト(旧型)が一つだけ売られていたのだ。本当にボロボロで色褪せている中古品だが電池を入れたところしっかりと光ってくれた。なんとか命が繋がった。急ぎ足で渋谷に向かい、遅めの昼食をフレッシュネスバーガーで詰め込んだ。お手洗いで入念にお化粧をなおし、いざ出陣である。
 
集合場所へ向かうと沢山の女の子たちが既に集まり待機していた。引き換え券の整理番号順に列を形成し、ここから長い長い待機時間のはじまりである。列では・服装・ペンライト・本人確認が行われ何か一つでも不備があると収録に参加できなくなる可能性がある。つめたい風がビュウビュウと吹く中、我々オタクは待機をした。そして約40分後、ファミクラのお姉さんに誘導されながらオタクたちは一斉に建物内へと駆け込んだ。前の人との距離を開けてはいけない為、移動は常に小走りである。そして静かな建物内で大きな足音を立ててはいけないため、まるで忍者かのような足取りでスタスタと軽やかに移動をするのだ。これもまたシュールさ溢れる光景である。よーしようやく収録かと思いきや、我々オタクは機材倉庫のような場所に収容されたのだ。そしてここから1時間程度、またまた振りの確認練習時間となった。機材倉庫に整列した我々は黄色い悲鳴を上げ、一斉に飛び跳ねる。一通り確認したところで、ようやく収録するスタジオへと移動することになった。その日の収録はいつものように桐山河合が司会をするザ少年倶楽部の収録ではなく、円形ステージを囲むほうの収録だ。なので顔が映り込む可能性も抜群に下がる。諸注意を聞き、いよいよ収録のはじまりだ。
 
前説でSnowManの深澤くんとSixStonesの田中くんが現れた途端スタジオは黄色い悲鳴に包まれた。まず顔が綺麗。スタイルが抜群に良い。足が長い。そして顔がべらぼうに小さい(ふっかも)初っ端からジャニーズを見せつけられた。これらが無料で見られるというのが番組協力の醍醐味である。この日の収録でいちばん印象に残ったのは間違いなく河合郁人氏によるCANDYだ。応援練習でしきりにファミクラのお姉さんが歌詞の「ラブふみきゅん」のところは絶対に言わないで下さいと説明していたので、一体何が起こるのかと思いきや裸にジャケットを羽織ったSnowManが登場し低い声でラブふみきゅんなんて唱えるものだから本当に振りが頭からスッ飛んでいった。放送を見ても未だに破壊力抜群である。
 
収録が無事終わると、お姉さんから列を崩さないまま速やかにスタジオから機材倉庫に移動してくださいと指示が出た。1列になった我々はスタジオを駆け足で出る。しかし様子がおかしい。列の前方からしきりに悲鳴が聞こえるのだ。なんと、待機していた京本くん宮近くん阿部くんがお見送りそしてハイタッチをしてくれたのだ。ハイタッチは本当に一瞬であったし記憶も殆ど無い。ただ一番最後の阿部くんが一瞬にも関わらずしっかりと目を合わせて手を当ててくれたことは脳裏に焼き付いている。中には嬉しさのあまり床に崩れ落ちて泣いている女の子も居た。ジャニーズタレントに合法的に触れるという貴重な体験であった。機材倉庫に戻り再び列を形成して建物内を忍び足で走り回り、ようやくその日の番組協力は終了した。このまま誰かと一杯飲みたい気分であったが、残念ながらお友達は出来なかったので地元のスーパーでお酒を買いホクホクとした気持ちで家に帰った。
この日の収録がテレビで放送されるたび顔が映り込みしていないかヒヤヒヤしながらも、懐かしいような気持ちになる。もしまた機会があれば番組協力に参加したい。年齢が許す限り……!